どこの会社かは言わなくても分かると思うが、先日某国の大企業の偉い人の訪問を受けた。彼曰く、
「コンシューマーからエンタープライズになったので様々な面で向上するし、クリアになる」「○○○は世界で○○○万人のお客様に利用いただき信頼を得ている」
え?ではこれまではアカンかったってこと?ってツッコミたくなる。とにかく本学は困っているのである。他から信頼を得ているなんて全く説得力がないし、他の人がどう思うかなんてどうでもいい。それにこの偉い人、とにかく話が長い。話が長いのは日本人だけで十分なサンプルに囲まれているというのに、この仕打ちは酷い。それに、これってただの社内事情の説明である。顧客にそんな説明をして理解してもらおうなんて呆れたものだ。私はハッキリ言った。
We don’t care!
大事なことなので二回繰り返した。セクショナリズムを顧客とのコミュニケーションに持ち出してくるなんてありえない。でも長い話はお構いなく続いていく。Long story goes on….
ご同席願った教授が見兼ねて助け船を出された。さすがこのあたり、私のような若造とは違う。人間ができているとしか言いようがない。ま、カッカしているだけでは良くないので、いつも思っている疑問をぶつけてみた。
御社製品のライセンス体系は非常に複雑である。あなた方自身は理解してビジネスをやっているのか?もし理解していないのであれば、そのビジネスは誠実と言えるのか?
偉い人の答え
複雑と言われるかもしれないが、我々としては柔軟さを追求している。もし貴学でライセンスの包括的な契約を検討されるのであれば、様々なカスタムオプションを用意する。
日本の偉い人(PhD)が補足する。
我々は理解しています。理解しないでビジネスをするということはありません。
いいことを聞きました。今後どのていど理解されているのか試させていただきます。それにしても「複雑」を「柔軟性」に置きかえるとは思わなかった。これは根本的な価値観の相違なのかもしれない。
「他人の振り見て我が振り直せ」と言う。セクショナリズムの強い大学人として、少なくとも対外的にはセクショナリズムを越える努力をしようと思う。