
昨日の記事の通り体調が万全ではないが、滞在許可証発行に必要な登録申請のため少々無理してベッリンツォーナまで行ってきた。というのも、許可証がないと信用されず何もできず困っていた(10月3日に申請手続きは行ったのだがその後パスポートをもっかい出せと言われるなど謎の遅延が発生していた)ところに、ようやくお役所から、「この手紙が来てから10日以内にアポイントを取って参上せよ」というお達しが来たからである。ベッリンツォーナはティチーノ州の州都で、古代から地勢上の重要拠点とされ、世界遺産である「ベッリンツォーナ旧市街の3つの城と防壁・城壁群」で知られる古都である。
ベッリンツォーナはルガノから電車で30分ほどの距離である。申請事務所はベッリンツォーナ駅から歩いて10分ていどのところにあり、必要な費用を支払うと、日本にもよくある証明写真作成コーナーのようなブースに通され、写真撮影、指紋登録、署名登録となる(担当者とは英語でコミュニケーションできた)。費用CHF284.60をカードでも支払うことができるのは感心した。
古都というだけあり、タイムスリップしたような風景が広がり美しい。ベッリンツォーナには3つの古城があり、市街地中心部にあるカステルグランデにはエレベーターがありアクセスが容易、かつエレベータを降りた頂上からの眺望が素晴しい。


あとの2つであるモンテベッロ城、サッソ・コルバロ城にはバスで行くか歩いて行くしかないのだが、バス(ベッリンツォーナ駅前バス停から4番バスに乗車)が1時間に1本もない。また、バスはモンテベッロ城を抜け、サッソ・コルバロ城のふもとまでは行ってくれる。しかし、その終点で下車するとサッソ・コルバロ城周辺で一時間以上待つことになる。体調のことも考え、今回は車窓から楽しむだけにした。バスに乗り込むやいなや運転手に「にぃはお」と言われ少々面喰ったがそういう認識なのだろう。
参考:ベッリンツォーナ駅からサッソ・コルバロ城まではモンテベッロ城経由、徒歩で1時間弱の坂道なので、体調が万全であれば徒歩を選択するのが妥当である。

バスで駅前に戻った後、お昼は駅前のレストランでいただいたが、例によってイタリア盛りで満腹になってしまう。帰り際に隣のテーブルになった礼儀正しい紳士が、「どこから来たのか」と聞いてきた。「日本」と言うと「ワーオ」という反応であった。「行ったことあるの?」と聞いてみたところ、カンボジア、シンガポールなどアジア各国に行ったことがあるが日本だけは「ない」そうだ。その理由は物価が高いことだそうである。スイスも高いと思うが…。その紳士いわく「リンゴが高い」。たしかに日本の果物は高い。ヨーロッパの果物は新鮮で安いと感じる。ただ、このような情報は一面を切り取ったものに過ぎない。東京をはじめとする都市部の物価は高いかもしれないが、地方はそうではない。
かくいう私も日本にいるときには「スイス=アルプスの少女ハイジ」「スイス=物価が高い」というイメージしかなかった。ものごとの一面だけを見ることのないようにしよう(自戒)。