学認連携Moodleのibdata1は11GBになっている。よく言われることだが、InnoDBはOSがどのていどのファイルを扱えるか認識できない。肥大化が困るのは、ファイルシステムを食い潰すことであり、最適化したとしても縮小することはない。一度ダンプからリストアするしかない。また、ファイルごとに.idbを作成する「innodb_file_per_table」が効果があるとされており、my.cnfに
[code]
innodb_data_file_path = ibdata1:1G
innodb_file_per_table
[/code]
を記述するという2009年の記事が見られるが、MySQLマニュアルを見ると、MySQL 5.6からこれがデフォルトになるそうだ。つまり、自動的にテーブルごとの.ibdを作成してくれるということである。先日のシステムメンテナンスで学認連携MoodleはMySQL 5.7にバージョンアップした。学認連携Moodleのデータディレクトリを見てみると、
[code]
-rw-r—– 1 mysql mysql 8720 3月 8 04:19 mdl_workshop_aggregations.frm
-rw-r—– 1 mysql mysql 147456 3月 8 04:20 mdl_workshop_aggregations.ibd
-rw-r—– 1 mysql mysql 9260 3月 8 04:19 mdl_workshop_assessments.frm
-rw-r—– 1 mysql mysql 147456 3月 8 04:20 mdl_workshop_assessments.ibd
-rw-r—– 1 mysql mysql 9222 3月 8 04:19 mdl_workshop_assessments_old.frm
-rw-r—– 1 mysql mysql 163840 3月 8 04:20 mdl_workshop_assessments_old.ibd
[/code]
のように、ダンプをリストアする作業を行っていないのもかかわらず、夜中のmysqlcheck時に自動的にこのようになっているようだ。つまりmy.cnfは一切変更する必要はない。
「innodb_data_file_path = ibdata1:1G」について、このサイズを越えたらどうなるのか見当がつかないので、明示的な固定サイズは止めることにした。しかしながら今のままの肥大を続けるのは良くないので、データベースのダンプをリストアする作業は必要である。この結果、ibdata1は11Gから79Mとなり、消費メモリが劇的に減少した。
作業手順は次の通り。この記事の流れが非常に参考になった。
0. Moodleを予告の後メンテナンスモードにする
/usr/bin/php /var/www/html/mdl/admin/cli/maintenance.php –enablelater=1440
1. データベースに影響するサービスの停止
cactiとmoodleのcronを止める
2. 全てのデータベースのバックアップ
sudo /usr/bin/mysqldump -uroot -p’pass’ –single-transaction –quick –lock-tables=false mdl | gzip > /tmp/mdl.sql
sudo /usr/bin/mysqldump -uroot -p’pass’ -x –all-databases | gzip > /tmp/all.sql
3. 全(InnoDB)データベースの削除
mysql -uroot -p’pass’ -e “drop database cacti”
mysql -uroot -p’pass’ -e “drop database mdl”
mysql -uroot -p’pass’ -e “drop database performancd_schema”
mysql -uroot -p’pass’ -e “drop database information_schema”
mysql -uroot -p’pass’ -e “drop database sys”
mysql -uroot -p’pass’ -e “drop database mysql”
4. MySQLの停止
sudo /etc/init.d/mysqld stop
#5. my.cnfに以下を追記(MySQL5.6以降は innodb_file_per_table がデフォルトになったので不要)
#innodb_data_file_path = ibdata1:1G
#innodb_file_per_table
6. ibdata1などの削除
データディレクトリ内をすべて削除する
sudo rm `sudo ls`
7. MySQLの初期化
sudo /etc/init.d/mysqld start
8. MySQLの停止
sudo /etc/init.d/mysqld stop
9. MySQLのセーフモードによる起動(3. でrootユーザのアクセス情報含めすべて削除したため)
sudo /usr/bin/mysqld_safe –skip-grant-tables –skip-networking&
10. バックアップからのリストア
mysql -uroot < /tmp/all.sql
# 次回から zcat /tmp/all.sql.gz | mysql -uroot とできるか検証
11. ibdが作成されているか確認
sudo ls -alF /var/lib/mysql/mdl/
12. MySQLの再起動
sudo /etc/init.d/mysqld restart
13. 停止したサービスの再稼働
cactiとmoodleのcronを有効にする
14. moodleのメンテナンスモードを解除
sudo /usr/bin/php /var/www/html/mdl/admin/cli/maintenance.php –disable