学生の頃から海外で暮らしてみたいと思っていた。学部生のころ、交換留学生面談のため偉い先生の部屋に乗り込んでは自分の未熟さを露呈していた。(5年ビハインドがある学生ではあったのだが)ほんとうに若気の至りとしか言いようがない。その後の修士課程から学位取得まではそのようなコンテキストは一切なかった。
学位取得後最初の職場のポストは任期付きだったので海外どころではない。知り合いの先生が「サバティカル」というものでイギリスに行かれることを知ったが、もちろんその時は、それが何を意味するのか分からなかった。
2006 年に群馬大学に移りすぐに、知り合いの先生が「在外研究という制度でオーストラリアに一年間滞在したことが良い経験になった」と仰ったのを聞いた。まさにこれだと思い、事務局に「在外研究制度について教えて欲しい」と問い合わせたところ「法人化と同時に廃止になった」という回答であった。そのうち仕様書を書いたり、「システム最適化」「情報化推進」が佳境に入りそれどころではなくなった。この後、別の知り合いの先生がアメリカに一年間滞在され、オフィシャルな制度が無くなっても海外に行けることを知った。
2011年に京都大学に移ったが依然としてセンター業務があり、現場を離れるのは難しいというのが実感であった(教育コンとかOffice365とかうわなにをdksjfdlsk)。2014年になって、情報環境機構と学術情報メディアセンターの業務における関係が整理され、私は2015年4月から業務を外れることになった。そこで、念願だった在外研究への道を模索することにした。
まずは「サバティカル」「在外研究」という用語の整理から始めた。
によれば、サバティカルとは在外研究を実装する制度のようで、それを導入するかどうかは部局によるとなっている。解せないのはこの特例規則が平成16年4月1日、つまり法人化と同時に定められていることだ。それ以前はどうだったのか?
によれば、本学ではほぼサバティカルは機能していないと結論づけられている。じっさい、私が所属する学術情報メディアセンターではサバティカルの「サ」も聞いたことがないことから、導入されていないようだ。一方、研究のための休暇という印象を受けるサバティカルとは別に、本学には海外派遣制度がある。「ジョン万プログラム」がそれである。海外に行きたいなら、これに応募するのが良さそうだ。(続く)
ある教授に聞いた話だが、法人化前は京都大学(と東大)にはサバティカルに「行く」という概念はなかったようである。つまり「受け入れる」ことはあっても送り出す大学ではないという扱いだったそうだ。