6月8日に「条件付採択」とのメールを受領した。これは事実上の内定であると言ってよいのだろうが気は抜けない。条件が「申請書再提出(滞在期間の精査、研究の重要性、渡航先選定理由具体化)」であり、やはり突貫工事で作成した申請書の完成度が低かったということだろう。全くもってお恥ずかしい限りである。ご多忙にもかかわらず私の申請書をお読みくださった先生方(もちろん面識はないしどなたなのか知る由もない)に深謝する。
再提出までの締切りは6月22日と約2週間であった。申請書を最初から書き直すとともに、なぜ物理的に海外に滞在する必要があるのか、また、なぜその渡航先を選定したかなどを明確化するよう努めた。渡航先の研究室の先生方にもアイデアを出していただき、研究室イベントや研究室がホストする国際会議へのコミットなどを渡航理由に加えることになった。
条件付採択が事実上の内定であることからか、ジョン万プログラム事務局から渡航先の正式名称についてのクエリがあり、少々困ったことになった。渡航を希望する大学(Università della Svizzera italiana)はスイスのイタリア語圏にあり、正式名称がイタリア語であった。ジョン万プログラム事務局は、機関の長宛「英語」推薦状を渡航先の正式名称で発行したいとのことであったが、英語とイタリア語が混在するのは恐らく「前例がない」ということなのだろう。当初事務局は通称の「University of Lugano」という形で発行しようとしていたが、USI側との議論の結果、やはりイタリア語の正式名称を採用していただき「USI Università della Svizzera italiana」となった。
本件、色々と考えさせられるものがあった。その国、その文化圏にしっかりと根差し、そのアイデンティティを強調する姿勢は「アメリカの真似をしていればよいというものではない」というメッセージではないか。言語とはすなわち文化なのだから。