
ルガノに来て早いもので1ヶ月が経った。これまでの経緯はこちら。11月の第1週はパリに行ってきたがそのことは稿を改めることにする。まだまだ落ち着かないが1ヶ月の雑感としてまとめておく。
研究
やはりここに来て良かったと思う。情報システムの運用とコンテンツデザイン、その評価まで実質ひとつの研究室で行っている環境に身を置かせてもらっているからである。10月は科研費申請や生活の基盤を整えることに追われてしまったので、今月から仕切り直しである。オフィスはwebatrier.netに居候させてもらっているが、学生と教員の関係など色々学ぶべきことが多い。すべてを積極的に吸収していこうと思う。
物価
高い高いと脅されてきたが、家賃、外食と食品以外は日本と変わらない感覚である。外食が高いのは人件費が高いからであり、食品が高いのはスイスの農業を保護するためであることが分かれば納得できなくはない。いずれにしても本務先から支給されている交通費、滞在費を無駄にしないようにしよう。
食事
日本食が恋しくないかと言われるとそうではないが、せっかくこちらにいるのだから楽しむようにしている。日本では専らビール党だったが、チーズと赤ワインをようやく覚えた。体重が気になるが、こちらの水質が硬水であるためか心なしか痩せた気がする。
スイス、ティチーノ
恥ずかしながらこちらに来るための準備をするまではスイスにイタリア語圏があることを全く知らなかった。しかし住んでみると素晴しい土地だと思う。温暖な気候とイタリア系のフレンドリーな人々、風光明媚な景色、治安の良さ、公共交通機関の発達(きっぷを一回買うだけで電車にもバスにも乗れるし、バスは定時運行!)など、挙げればきりがない。こちらに来て日本、そして日本人であることをあらためて考えさせられている。ずっと不思議だったことを研究室のMoodle Guyに尋ねてみた:「スイスには4つの公用語があるよね。言語とはすなわち文化。つまりスイスには4つの文化があるわけだけど、じゃあスイスのIdentityって何になるの?」と。色々議論したが、そもそもIdentityが「ひとつ」という日本人的考え方が間違っているのだと思う。つまり、Diversity is identity! であり、4つの文化を抱えるスイスという国はそれだけ豊かな国であると言えるのかもしれない。
乾燥
関西出身者には厳しいのが乾燥である。ルガネーゼに言わせると湖があるから湿度が高いのよとのことだが全く唇が潤わない。毎日ハンドクリームなどが必須である。ヨーロッパの人が洗髪をあまりしない理由が分かったような気がする。同じ理由で、あまり汗をかかないため、毎日洗濯する必要がないのかもしれない。
準備しておいて/持ってきて良かったものを挙げる。
- ドキュメントスキャナーとデジタルペーパー:大切な書類のバックアップ、プリンタレスの署名など大活躍であった。
- ほんだし:日本の味が欲しいときはこれに限る。
- ワインのボトルトップ:コルクを抜いた後にはめておけるので便利
- eduroamアカウント:さすがは発祥の地である。教育機関付近でeduroamingできて大助かり。
- SSHポートフォワードの設定:USIではPPTPが閉じられており、SSL-VPNでの接続が不安定である。SSHポートフォワードサーバをSOCKプロキシにすると学内に接続できた。
- (追記) USB3.0の外付けHDD。PCが速いのかHDDが速いのか分からないが全くストレスがない。研究室のNASのデータをすべてコピーしてスイスまで持ち運ぶことができ重宝した。
持ってくるべきだったものは、電子辞書である。スマホで十分と思っていたが、やはり役不足であった。仕方がないので転送コム経由で購入した。