
スイスに日本人が90日以上滞在するには何が必要かというと、ビザではない。何が特別なのかは分からないが、日本とスイスの間には特別な取り決めがあり「滞在許可」で良いとのことである。
ただし、ここからがやっかいである。基本的にイミグレについて大使館つまり連邦政府は何もしない。住むことになるカントン(私の場合はティチーノ州)のイミグレと「直接」連絡を取り、日本にいる間に「滞在許可発行確約書」なる書類を出してもらう必要があるとのこと。これには3つのハードルがある。
- ホストとカントンのイミグレが日本とスイスの取り決めを理解していない
ホストのUSI側からは「Long Stay D」だと何度も言われたが冷静に「Could you point out specific web page that I should apply visa?」などと怪しい英語で問い詰めれば解決した。イミグレとは直接やり取りしていないので分からないが、どうやら何度もやりあってもらったようで、「担当者による」とのことである。数度の「Visaいる」「いらん」の攻防の後、イミグレ担当者が本部に問い合わせてくれて解決したようだ。 - イミグレのWebサイトがイタリア語だけ
ルガノはイタリア語圏で、当然カントンの公用語もイタリア語である。私はあいさつ程度なら分かるが、それ以上は全く分からない。WebサイトをGoogle翻訳しても意味不明になるだけである。実は受入先研究室がこのWebサイトのユーザビリティ調査を行ったそうだがもちろん「良くない」となった。今回は受入機関であるUSIを通じて手続きを行ってもらったのでこの問題は回避できた。 - アポスティーユの取得などの手続き
ビザの場合、戸籍謄本、犯罪経歴証明書、パスポートのコピー、CVを求められるが、上述した通りイタリア語圏なので必要な書類もイタリア語にする必要がある。戸籍謄本と犯罪経歴証明書を翻訳すると「公文書」が「私文書」になってしまうため、それらのチェーンを含めてアポスティーユを取得することになる。
アポスティーユとはその文書が正当なものかどうかを証明するもので、条約を結んでいる国家間では領事による証明を不要とする簡略化された取り決めで、手続きじたいは素人にもできなくはないが、限られた時間で準備を行っている場合には現実的ではない。今回は「アポスティーユ申請代行サービス」にお願いした。一方、上述した通り私が申請したのはビザではなく滞在許可であり、結局犯罪経歴証明書は不要となった。今回、戸籍謄本とその翻訳のチェーンにアポスティーユを取得したのだが、ティチーノのイミグレは「原本にアポスティーユがない」と意味不明なことを言ってきて、アポスティーユを再度取得することになった。大雨の日に福知山市役所に戸籍謄本を取るため車を走らせたのも良い思い出になりつつある。
これらの手続きが完了したとのメールを受け取ったのが9月23日、滞在許可発行確認書のコピーを受け取ったのが9月27日とギリギリのタイミングであった。滞在許可とビザの大きな違いは、大使館に取りに行かなくても良いことであり、この確認書のコピーを持って出国するだけで良かった。出国時のチェックインカウンターで、これからスイスに滞在すること、ビザは不要でこの確認書で十分なことの説明が必須であった。一方、ミラノのパスポートコントロールではスルーであった。何のために気を揉んだのか…。結局「日本のパスポートは強い」ということがあらためて分かった。
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